常識的に、血は赤い。では、どの生き物の血も赤いのか?
左上の写真は食用のエビから採血?した、エビの「血液」です。では、この中には何が入っているのでしょう?人間などの血液と同様、酸素を運ぶタンパク質が大量に入っています。酸素を運ぶタンパク質が、薄青い色をしているのです。エビなどの酸素運搬タンパク質はヘモシアニンという名前で、大きさは1センチメートルの百万分の一程度。これまでの研究で、右の図のような形をしていることが分かりました。この、「酸素運搬タンパク質」とそれに近い関係にあるいくつかのタンパク質の興味深い役割について調べています。
①エビ・カニの見た目と美味しさについて
エビのお刺身。私たちは、薄く赤みがかった透明感のあるものを想像すると思います。これがどす黒く汚れたような外見になると、食欲をそそるでしょうか?酸素運搬タンパク質の仲間がこの反応に関係しています。このような変化が起きないようにするため、タンパク質の形と働きを分子のレベルで調べています。そこには、色の変化にとどまらない発見があるはず?
②エビ・カニはどのように病原体から身を守る?
私たちも風邪をひくように、エビ・カニも病気になります。特に養殖場など多くの個体を飼育する場所で病気が蔓延すると大変なことになります。「酸素運搬タンパク質」とその仲間はエビ・カニが病気から身を守る免疫反応に、深く関わっています。これらの働きを詳しく調べると、養殖場などでの病気の蔓延を抑えることができるかも?